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医療費改革の行方 

 先日、就寝中に胃の痛みと吐き気を覚え目を覚ましました。起きあがりトイレに直行しましたが、吐くことも何も出来ず、胃の痛みは益々激しくなり、冷や汗が吹き出しだんだんと意識が遠のいて行き始め、妻を呼ぶのが精一杯でトイレのドアを開け洗面所に倒れ込んでしまいました。今まで経験したことのない苦しさで、何が起こったのか分からず、ただその場に倒れ込んでうずくまっていました。しばらくの後、苦しさが和らぎ何とか起きあがることが出来ましたのでベットに移り、そのまま眠りに着き朝を迎えることが出来ました。
 翌日はこれと言った症状はありませんでしたが、心配性の私は早速いつもお世話になっている南区の秋水クリニック(092−541−3102)の院長、長濱先生を受診しました。私が、長濱先生に最初にお世話になりましたのは、1997年に先生が九大から福岡歯科大学附属病院の外科に派遣されて勤務されておられました時、私がクリニックの運営の悩みから胃潰瘍になり、胃カメラで見ていただいた事でした。生まれて初めて胃カメラで検査を受けることになり胃カメラが苦しいという噂を聞いていた事と仕事のストレスから神経質になっていた私に、長濱先生の丁寧な説明から感じる穏やかで誠実な人柄にとても安心させられました。そして、胃カメラも麻酔を使いしていただけたので何の苦痛もなく、思いがけず楽々と検査を受けることが出来ました。それ以来、外科に関することはどんなことがあっても先生に診て貰おうと心に誓い、先生が病院を移り、またご開業されてからも家族全員でお世話になっています。長濱先生は、今回私が受けた腹部エコーや胃カメラと言った検査も先生自らに丁寧に説明しながら検査をしてくださるのです。大きな病院なら検査室で技師の方が撮影した写真の見て先生が診断するのでしょうが、先生自らがエコーや胃カメラをしてくださるその安心感を求めて私は長濱先生の所へ行っているのです。
 そんな丁寧な診察を受けた後、私が歯科医師国保の2割負担で支払った患者負担金は、5,000円少々ですから、私の治療費は、25,000円だったことになります。私の受けた検査は、入院のない外科の診療所でできる最も高価な検査と思われますが、それが3時間近くかけて25,000円とは驚きでした。この治療費で診療所を維持できるのかと心配になりました。美容院でパーマをかけて、髪を染めてと3時間近く掛かる作業をしてもらえば、同じくらいの料金がかかるのではないでしょうか?命に関わる検査の料金と美容院の料金が同じでよいのでしょうか?これでよい医療が行えると思えますか?
 医療費が高騰して財政が圧迫され、医療費の抑制が叫ばれていますが、医療機関の実質的な収入は減少の一途です。もし現在の医療費が適正ならば、無給あるいは研修費をもらっているだけの医師が多く働いている大学病院がどうして皆赤字なのでしょうか?患者さんとの対話に時間をかけていねいに診察しても、それに対する治療費は支払われません。検査をして、薬剤を処方して、指導内容等を記述した書類を渡してとそれが本当に必要不必要にかかわらず、それをしないことには経営が成り立たない医療制度になってしまっているのが現状です。
 現在の医療費改革が進めば、検査や書類等の作成等に多くの時間を取られ、医師が患者さんに向かい合う時間がどんどん減っていくことになりかねません。医療費の抑制も大切かも知れませんが、こんな現状が続けば医師と患者さんが十分コミュニケーションすることができず、医療に於いて最も重要な医師と患者の信頼関係を築くことが不可能となってしまうと私は思います。私は、医療費改革が進むことで本当によい医療が受けられなくなりそうで心配でなりません。

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