パリコレ引退森英志さんに聞く
手仕事の素晴らしさ次代に
パリでの最後のオートチュール(高級注文服)コレクション発表を終えた服飾デザイナーの森英悪さん(78)が九日、日本経済新聞のインタビューに「いつも前だけを見て走ってきた。自分との闘いの日々だった」と約五十年間の活動を振り返った。今後については「まだ余力はある。次の世代に手でする仕事の素晴らしさを伝えていきたい」と抱負を語った。
最後のコレクションは「過去の作品の回顧展のようにしては」との周囲の声を「私はまだ現役のデザイナー。これからの時代を見据えて新しいものをつりたい」と振り切った新作。
フィナーレを飾ったのは森さんの象徴ともいえる煤(ちょう)の柄のドレス。「たぶん古くならない。私の作品として残っていくと思う」と胸を張った。
丁寧な「手仕事」にこだわった。「どんなにコンピューターやロボットが発達しても、人間が積み上げてつくるものは機械を超えないといけない」という。
ファッションを「他人より少し先を見て自分を表現すること」と語る森さんは時代の空気にも鋭敏。「フランスのマダムまでもジーンズ、スニーカーにTシャツ。ベトナム戦争のころに米国でみた光景だ」と感じる。「戦争はファッションをだめにする。平和じゃないと」と力を込めた。
(パリ=奥村茂三郎)
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